岩崎和雄・太田大英・スクーター世界を駆ける

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岩崎和雄・太田大英・スクーター世界を駆ける

 小澤征爾のスクーター旅行より、1年早い1958(昭33)年に岩崎和雄と太田大其の二人の若者が、スクーターでヨーロッパからアメリカをまわり、1960(昭35)年に『スクーター世界を駆ける』を朋文堂から出版しています。


 小澤とちがつて岩崎、太田の二人は、根っからのユースホステルメンバー。当時今のように渡航が自由化されていないため、外貨の割り当てがありません。そこで、二人は、日本ユースホステル協会の推薦状をもって、文部省の社会教育局長をたずね、
「欧米各国の青少年野外旅行活動を視察し、帰国後はその体験を生かし、国内における青少年の野外旅行活動に力を注ぎたい」
と熱っぽく語りました。そして、やっとお墨付きをもらい、大蔵省に申請、ようやく審査をパスします。

1958(昭33)年5月26日横浜を出航。

マルセイユまでの運賃がスクーターを含めて二人で25万8千円といいますから、今にしてみれば目の飛び出る金額です。しかし、日の丸をつけた日本のスクーターが2台、ヨーロッパ大陸を走ると、日本人がまだ少ない時代ですから、どこへ行ってもめずらしがられました。

「ヨーロッパの青年たちは、一口にいって実にたくましい。自転車でヨーロッパ中をかけまわっているもの、ヒッチハイクで旅行を楽しむもの、パンをかじって水を飲みながらも、彼等は歩きまわっています。彼等にとってホステルで守らなければならない規則などというものは、窮屈でも苦痛でもありません。ただ最低の費用で旅行しますのに、テントを持って行く必要がなくて、屋根の下に泊まれるのはありがたいという気持ちです。リュックひとつで気軽に国境を越えて、たくましく旅行できる彼らを、まったく羨しいと思いました。自分の住んでいるところ、祖国を知らないで国を愛する気持ちも生まれないでありましょう。青年に夢を与え、たくましい青年を育むユースホステル運動を押し進めていくことは、国家百年の計として必要なことですと、確信を深めて帰ってきました」

 それにしても渡航自由化以前に、ユースホステルの本場をスクーターという乗り物で、旅をつづけたパイオニアの若者がいたことは、当時のユースホステルの仲間に、どれだけ大きな夢を与えたかは、計り知れないものがあったと思います。

(日本ユースホステル運動40年史より)

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