■著名人とユースホステル関連図書
小澤征爾・ボクの音楽武者修行
岩崎和雄・太田大英・スクーター
竹村健一・1500円世界一周
渡部昇一・ドイツ留学記
小田実・何でもみてやろう
金子智一・ウォーキング協会
橋田壽賀子・夢はペアレント
増山道保・宇都宮市長
兼松保一・貧乏旅行世界一周
黒田清・向こう3軒ヨーロッパ
浜村紀道・自転車野郎世界を行く
角田俊・バッハラーさんのホステル
中島正晃・グリンデルワルト便り
辻井重・ヨーロッパYHの旅
庄野真・The世界漫遊記
金井重・シゲさんの地球ほいほい見聞録
真鍋博・一人旅教育
池本元光・自転車冒険
熊沢正子・チャリンコ族はいそがない
種村直樹・鈍行列車の旅
荘司としお・サイクル野郎
五木寛之・青年は荒野をめざす
高橋三千綱・九月の空
司馬遼太郎・街道へゆく
荒牧重雄・世界的地震学者
早川由起夫・群馬大学教授
佐藤嘉尚「金子智一伝」
毛利好彰・旅行ジャーナリスト
小林克己・
山浦正昭・JYH研究員
永吉宏英・サイクリング・ホステリング
糸川民生・74歳がユースホステル一人旅
■ユースホステル協会資料
寄付行為
国際ユースホステル連盟規約
■ユースホステル運動研究文献
■映像化されたユースホステル資料
■リヒャルト・シルマン資料
■日本ユースホステル運動資料
リンク
サイトマップ
トップページへ戻る
|
国際的に大活躍している小澤征爾が若い頃ヨーロッパをスクーターで旅行しフランスのユースホステルに泊まっています。『ボクの音楽武者修行』(初版本は音楽之友社より発行。現在新潮文庫に収められている)で知ることができます。
彼は23歳の時、日本のスクーターの宣伝をするという名目でスクーターをせしめ、貨物船でヨーロッパまで行っています。1959(昭34)年2月1日に神戸を出発し、およそ50日後の3月23日にマルセイユに上陸。マルセイユからいよいよスクーターでパリをめざします。
マルセイユを出発して2日目にフランスヴアランス(Valence)で、ユースホステルにはじめて泊まっています。小澤は、途中で会ったアメリカ人から、ヴアランスまでい桝も安く泊まれるユースホステルという宿があることを教わっていました。本文中で小澤はその時のことをこう書いています。
「27日夜、ユースホステルをたずねます。以前桶谷繁雄一行が泊まったところで、すぐメンバー・カードを作ってくれました。あまり簡単にメンバーになれましたので、こっちはかえって拍子抜けがしました。ヴアランスのユースホステルでは、客はばく以外には女が3人と男が一人。しかし格別なこともありません。翌日の夜には、リヨンのユースホステルに泊まりました。ここで同宿のドイツ人と友だちになりました。住所を書いた紙をよこし、ドイツに来たら泊まっていけと親切に言ってくれます。一人でも知りあいができるのはたのもしい気がします。ホステルでみんなにピアノを聞かせたら、大いに喜ばれました」
このあと小澤はパリへ着いて、若手の指揮者のコンクールに飛び入り出場し、見事1位に輝き、指揮者としての桧舞台へとかけあがっていきます。それにしても、ヨーロッパへの海外旅行が夢のまた夢の時代に、金もない若い青年小澤がよくヨーロッパまで行ったものです。
1960年代の各国の風俗が描かれているのも興味深く、パリの道が走りやすいという一節では「日本のように年じゅうどこかで道路工事をしているのとは違う」、フランスのユースホステルでピアノを弾くと、リクエストは「ほとんどアメリカのジャズ」だったというエピソードなどなど。
本の紹介
40年前に「世界のオザワ」と言わしめた中田よりもイチローよりもスゴイ挑戦。
「外国の音楽をやるためには、その音楽の生まれた土地、そこに住んでいる人間をじかに知りたい」
という著者が、スクーターでヨーロッパ一人旅に向かったのは24歳の時だった。ブザンソン国際指揮者コンクール入賞から、カラヤン、バーンスタインに認められてニューヨーク・フィル副指揮者に就任するまでを、ユーモアたっぷりに語った「世界のオザワ」の自伝的エッセイ。
ボクの音楽武者修行 (新潮文庫) 新潮社; 改版版 (2000)
ISBN-10: 4101228019
ISBN-13: 978-4101228013
|