2001年(平成13)

■日本ユースホステル協会史
■1951〜1960
■1961〜1970
■1971〜1980
■1981〜1990
■1991〜2000
  ☆国際化、情報化、環境問題へ
  ☆1991年(平成3)
  ☆1992年(平成4)
  ☆1993年(平成5)
  ☆1994年(平成6)
  ☆1995年(平成7)
  ☆1996年(平成8)
  ☆1997年(平成9)
  ☆1998年(平成10)
  ☆1999年(平成11)
  ☆2000年(平成12)
  ☆2001年(平成13)

2001年(平成13)

■4月より50周年記念事業がスタート
 日本経済は金融機関が抱える莫大な不良債権処理が一向に捗らず、株価は依然として低迷が続き、不況から脱出できない状況の中、社会には閉塞感が漂っていました。そうした中、4月に「構造改革」を旗印に小泉純一郎首相が国民の圧倒的な支持を受けて登場しました。
 この年、JYHでは約1年をかけて準備を重ねてきた「YH50周年記念事業」が2月の理事会で承認されました。4月20日にその第1弾として「サポーター会員の募集」、「YH利用体験カード」、「チャレンジ船ホステリング」をスタートさせました。
 また、6月には「新しい旅のメッセージの募集」を開始し、7月8月の夏休みには、子ども対象事業として「子ども長期自然体験村」、「子どもチャレンジボステリング」、「水辺の楽校・名水を訪ねて」などの事業が全国で一斉に開催されました。

●時代に合わせて戦略の立て直し
 文部省は学校中心社会から「生涯学習体系」を理想とする時代へと指針を示しています。YHの分野でいえば“エイジレス・ホステリング”の可能性も発生してきました。すでにヨーロッパのYH活動では「ホステリング・インターナショナル」の標語のように、幅広い社会教育施設へと転進しつつあります。
 一方、日本では国内ハンドブックの市販を実行して以来、中高年の利用者が増加しています。自然環境の中で、今一番元気があるのは、若者よりも中高年の人達です。この世代は、かつてYH会員数が620000人のブームを迎えた、あの当時の人達です。彼等は早くも定年世代に入ろうとしています。そうした意味で、施設や運営に工夫を加えた場合、若者、家族連れ、高齢者まで、エイジレス・ボステリングへの誘いが可能です。それこそ生涯教育にも適合し、旧来のYHとは一味違った経営も考えられます。彼等は寝室の中だけ、年齢相応のYH生活を望むかも知れませんが、寝室から一歩出れば、全てが同じ余暇時間や自然環境の中で、ホステラーとして活動する可能性が高いです。少子化の影響で青少年人口が激減する中、一考を要するポイントではないでしょうか。

●観光開発財団が日本観光協会に合体
 7月には、公営YHの運営を束ねてきた観光開発財団が解散して、日本観光協会に合体されました。日本のYH運動推進のためその一翼を担ってくれましたが、これも時代と社会が変化する中の象徴的なできごとでした。

●シルマン記念室が修善寺YH内にオープン
 修善寺YHに「シルマン記念室」がオープンし、シルマンの末娘グドルン嬢が来日して開所式に望みました。この開設費用は、IYHFの拠出金100万円と、横山基金、上田基金により設置されました。現在はシルマンの遺品のほかYH運動に関する記念品の数々が展示されています。

●「いい旅みつけた」のビデオが完成
 日本宝くじ協会の助成による、YH運動のプロモーションビデオ「いい旅みつけた」が完成しました。このビデオの完成でどこでも、誰でも、すぐ見られる機動性のある広報資料が準備されることになりました。

●国際観光振興会の英文ホームページでYHを紹介
 国際観光振興会(JNTO)にYHの英文ホームページが開設され、インターネットによる情報提供が始めて可能になりました。

●中山正男記念碑を建立
 1月には、栃木「芳賀やじきたグループ」の創立35年記念事業として、約100名が出席して「中山正男記念碑」を栃木県芳賀町に建立、開碑式が行なわれました。碑面には「次に来る旅人のために」と刻まれ、運動創生期の気持ちを、それぞれが忘れないように誓いが立てられています。

●国際ユースホステル連盟ユースホステリングの理念原則
 1996年(平成8)IYHFリヒアルト・シルマン委員会および執行委員会は、ユースホステルが他の宿泊提供者との激しい競争状態に入り、もはやユースホステルのユニークな特徴だけでは、この競争に勝てないことが予想され、基本理念の確認見直しが必要と判断、96年オーストリア・ウイーンでの第41回国際YH会議を経て、見直しのための作業を開始しました。
 IYHFは、1997年11月に草案を作成、1998年1月修正案作成、その年インド・ニューデリーで開催された第42図国際YH会議にて「ユースホステリングの理念原則」が採択されました。この理念原則を基に、2000年開催の第43回国際YH会議にて、次の5年間の戦略が承認され実行に移されました。

この理念原則は;
・ユースホステルは、その名が示すとおり、まず第一に若者のための施設である
・ユースホステルは学びの場を提供するという教育的役割を有する
を骨子としたものであり、理念を踏まえての次の戦略は、IYHFの任務として各国協会のの強化、国際ホステルの強化を行うなどが挙げられており、2001年から実行に移されています。

●インドのサクスナがIYHF新会長に就任
 7月に開催された、第43回国際YH会議(フランス・ドイツ)には、64協会、260名が参加して、ストラスブールなどで開催されています。この会議でスイス人のマックス・スタイナーが会長に就任したが一身上の理由で12月には辞任しました。その結果、後任にはインドのパーリッシュ・サクスナ第1副会長が史上初めてアジア地域から会長に就任しました。
もっと詳しいことを知りたい方は、日本ユースホステル協会(http://www.jyh.or.jp/index2fr.html)へ御連絡ください。

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