■日本ユースホステル協会史
■1951〜1960
■1961〜1970
■1971〜1980
■1981〜1990
■1991〜2000
☆国際化、情報化、環境問題へ
☆1991年(平成3)
☆1992年(平成4)
☆1993年(平成5)
☆1994年(平成6)
☆1995年(平成7)
☆1996年(平成8)
☆1997年(平成9)
☆1998年(平成10)
☆1999年(平成11)
☆2000年(平成12)
☆2001年(平成13)
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国際化、情報化、環境問題への取組 1980年代後半には、ベルリンの壁が崩壊し、天安門事件が起こるなど、世界情勢は激変しました。日本はバブル景気に浮かれ、1泊3万円、5万円の宿に泊まることが当り前のような時期を過ごしました。YHが、安く泊まれる安心の宿と宣伝しても、それに魅力に感じる人は激減していました。
しかし、バブルの陰で、物の生産過剰が静かに忍びよっていました。金利が低下し、株が暴落を始めますと、バブルがはじけ泥沼の不況へと突入して、21世紀の今日まで回復することはありませんでした。その影響は、旅行意欲の減退など、明らかにYH運動にまで及んでいます。
しかし、日本ではあらゆる社会構造が曲がり角を迎えて停滞する中、むしろYH運動には、復活の兆しさえ感じられる時代が到来しました。
そのひとつは「国際化」です。アジアの興隆が始まり、多くの若者が日本を目指して旅を始めました。人口13億に迫る中国が動く時に、世界は動くのです。こうした人達を受け入れる施設が、日本ではまだ不足しています。
もうひとつは「情報化」です。情報化は国境の存在を薄め、ひとつずつの国や協会ではなく、世界5000ヵ所のYHが、地球規模で一体化を始めています。試験的な予約システムIBNが稼働を始めますと、予想を遥かに超える人達が利用し、その波はやがてインターネット時代へと進んでいきました。
また、日本では物の豊かさに溢れた若者が、多くの問題を引き起こす環境も生まれてきました。人と人とのコミュニケーションの不足、社会生活に適合する訓練の不足などが目立ち、学校教育の外側での社会教育の必要性が説かれています。また「余暇時代」の到来と共に、レクリエーションやスポーツを楽しむ人達が急増しています。野外活動が、これほど注目される時代は、過去にはありません。その意味で、長期滞在して楽しめるプログラムを持つ施設が、業績を伸ばし、人と人との触れ合いが顧客を育てる環境になります。そして21世紀は「環境の世紀」といわれ、地球環境を慈しみ、その中で時を過ごす「自然愛護の時代」も到来しています。
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