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元嬬恋郷土資料館館長・松島先生
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中富良野 歩゚風里
『風のたより』
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第2章 学校 その5
シルマンがヨチヨチ歩きの頃は、何かと学校の上級生に面倒をみてもらいました。歌やゲームも教えてもらいました。ダンスも見よう見まねで覚えました。女の子たちは、シルマンを美しい湖畔にも連れて行きました。湖畔では水遊びを行い、民謡を歌いました。すると、歌にあわせて誰ともなく踊りだしたものでした。この時代のプロイセンの人々は、よく歌い、よく踊りました。二十番もある民謡も最後まで間違えずに歌いました。歌が終わりますと、木イチゴ摘みなどを行って、家に持ち帰りました。
男の子たちは、シルマンを森に連れて行きました。森の中で棒きれを持ってチャンバラごっこを行いました。もともとプロイセンは、ドイツ騎士団の入植によって生まれた国です。男の子たちは男らしさを誇り、腕相撲やレスリングをして遊び回りました。釣りもしました。釣れた魚を家に持ち帰り母親の笑顔をもらったりしました。
このようにしてシルマンの一日は暮れていきました。プロイセンの慣習と道徳と規律は、上級生たちから知らず知らずのうちに教え込まれていました。上級生たちは何かにつけて年下の子供たちの面倒をよくみました。
下級生たちも上級生を慕いました。森に生えるキノコの種類や、食べられる木の実の種類、飲んでも良い湧き水、それら全ては上級生が教えてくれました。それらの知識は、プロイセンで生活するには欠かせないものでした。貧しく飢えた子供たちにとって、甘い草花の蜜や、木の実や、森のキノコは御馳走でしたし、湖や川でとれる魚たちも、大変な御馳走でした。
シルマンは、先生の子供として多くの上級生にかわいがられました。また、多くの下級生たちに先生の子供として慕われました。ですからシルマンにとっては 「学校は面白いところ」 であり、楽しいところでもありました。たとえルールがあっても、子供たちが大勢集まる学校くらい楽しいところはないと思っており、将来、自分も父親のように学校の先生になりたいと漠然と思っていました。
シルマンは年をとっても子供っぽいところがあり、お人好しで楽天的で人を疑わないところがありましたが、そういったシルマンのポジティブな性格は、父親の学校で培われました。この時代のプロイセンの学校には、善意と勤勉と良き時代の風習が濃厚に残っていました。
■ユースホステルとは?
ユースホステルとは、ドイツで生まれた旅の宿のネットワークです。だれもが安全に楽しく、そして経済的に旅ができるようにと考えられたもので、現在、世界80カ国、5500のユースホステルがあります。日本には北海道から沖縄まで約300のユースホステルがあり、宿泊料金は日本の場合、1泊3000円から4500円と大変経済的です。日本でのユースホステル会員数は、最も多かった1970年代には60万人以上にものぼったと思われますが、1980年代以降は減少傾向にあり、2005年現在では最盛期の7分の1程度の約8万5000人です。
世界最初のユースホステルもドイツのアルテナにある古城の一角に設けられました。部屋は、男女別の相部屋で、1部屋が4人〜8人ぐらい、2段ベッドの洋室(日本では畳部屋もあり)が基本となっております。海外のユースホステルでは、スウェーデンの帆船ユースホステル、ドイツの古城ユースホステル、カナダの元刑務所ユースホステル,ニュージーランドの広大な芝生の庭に囲まれた邸宅ユースホステルなどいろいろ。料金は安くても、食事やサービスは十分満足できるもので、経済的で、泊まり合わせた人同士が気軽にふれあえる旅の宿です。
ユースホステルを利用するには、会員証を入手すると便利です。宿泊費が600円ほど安くなります。各都道府県にあるユースホステル協会または最寄りのユースホステル案内所、全国のユースホステルにて、簡単な手続きで会員証が取得できます。この会員証は世界共通で、日本で取得すればどこ国のユースホステルでも有効です。また、会員証によって国内・海外の観光施設等の割引を受けられるなどの特典もあります。
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